2007年11月30日
うた∽かた 第07話のこと その08 (最終回)
自分に邪悪な側面がある事を思い知らされ、落ち込む一夏
コードが途切れている電話で、誰かと話す沙耶
その側には、大鏡
ラストのシーンでじっと前を見つめる、思い詰めた一夏を印象づける為、
繪委(かい)にレポートを渡すシーンでは一夏はシルエット処理にしています
シルエットといっても、完全なブラックではなく、薄く赤紫をいれて、夕景に馴染むようにしてあります
こういったシルエット処理というのは、実は意外とくせ者で、思い通り行かない事が結構あります。
原画マンはシルエット処理である事を理解しているんですが、完全に輪郭線だけを描くと、動いた時、動画が中割出来ません
そういうわけで、中に線はいらないと知りつつも、原画マンは中の線も描く事になります
ところがこれが動画に伝わらず、ちゃんと但し書きをいくら書いても、中の線を描いた動画が上がって来ちゃう事があるんですね
特に海外に動画を出すと、続きを読む
2007年11月05日
うた∽かた 第07話のこと その07
飛行中、沙耶を見つける一夏
その目が嫉妬で赤く光り、巻き起こした風で沙耶を吹き飛ばす
車に撥ねられそうになる沙耶
正気に返った一夏は逆方向からの風を吹かせて、間一髪で事故は免れる
しかし、自分の中の禍々しい心に気づいて、震えが止まらなくなる
ここのシーンは今見ると、コンテでのカットの練り込みが甘いと感じます
反省するべき点ですね
まぁ、それはそれとして・・・
ここで、一夏が起こした風で、バイクを倒すカットを入れています
風の勢いがどのくらいなのか、視聴者に感じて貰うために作ったカットですが、映像演出ではこのように、リアクションを拾うのはとても重要です
何かが起こった時、その何かを一所懸命に描くのも重要ですが、それによって引き起こされる現象(リアクション)をきちんと描く事の方が、何倍も重要だったりします
例えば「天空の城 ラピュタ」
ラピュタから落ちてきたロボットが出す光線
これはただの、何の変哲もない透過光の細いビームなのに、続きを読む
2007年11月02日
うた∽かた 第07話のこと その06
変身した後、繪委(かい)のレポート用紙を集める一夏
この時、1カット、撮影ミス(もしくは動画ミス)で、レポート用紙の動きが戻っているカットがあります。
一夏の手に収まる瞬間、ほんのちょっとだけ動きがガタるんですが、むしろこっちの方が、「風のランダムな感じが出て良いな」と思い、そのまま放映しています。
ミスでもそれが良ければ、通してしまいます(w
古い話になりますが・・・・
「さよなら銀河鉄道999」という映画でのこと。
金田伊功さんの担当カットでこんなことが有りました。
惑星プロメシュームから脱出しようとする999
それを追う戦闘衛星達
戦闘衛星、ビーム発射
乱れ飛ぶビームの中、カメラの真上から奥へ進む999
その最後部車両にビームが当たり、Vの字に炎を吹き上げながら落下する最後部車両
この、Vの字の炎がカッコ良くて、カッコ良くて・・(w
映画館で何度も見て、目に焼き付けたものです(w
当時はホームビデオなんて持っていませんでしたから、続きを読む
2007年10月30日
うた∽かた 第07話のこと その05
風が吹いて飛ぶレポート用紙
その風を起こした沙耶、鎌倉大仏への道を歩く
レポート用紙を追おうとして繪委(かい)に止められる一夏
目が赤く光って、繪委(かい)の手を振りほどいて行く
風が起こった表現として、BOOKのローリングを使っています
※BOOKとは、美術が描いた背景の上におくオブジェクトで、これも美術で描かれます
ローリングは、セルやBOOKを一定間隔でスライドさせる撮影技術で、主に、足が見えない歩きの上下動などに使われます
BOOKの木をローリングさせるテクニックは、プリンセスチュチュの時、河本昇悟監督に教えて貰ったもので、チュチュの時には何段にも多重にBOOKの木を重ね、それぞれを別軌道、別タイミングで動かしました
タイムシートのカメラワーク欄には書ききれないので、続きを読む
ラベル:うた∽かた
2007年09月23日
うた∽かた 第07話のこと その04
家庭教師に来る、誓唯(せい)
誓唯(せい)は、沙耶の部屋の窓を気にしていて、それに気づく一夏
祖母に貰ったイヤリングをしている事を指摘されて、一夏はイヤリングを耳から引きちぎってしまう
このシーンは、一夏の反応が唐突すぎたな・・という反省が残りました
一夏の沙耶への劣等感と、似合わないイヤリングを、好きな男性に指摘された事による動揺を、心情的に上手く繋げる事が出来なかった気がします
今やれば、また違った形の組み立てにするだろうな・・と思います
一夏達、家を出る
一夏が家を出る所から沙耶の部屋の窓を気にするあたり、続きを読む
誓唯(せい)は、沙耶の部屋の窓を気にしていて、それに気づく一夏
祖母に貰ったイヤリングをしている事を指摘されて、一夏はイヤリングを耳から引きちぎってしまう
このシーンは、一夏の反応が唐突すぎたな・・という反省が残りました
一夏の沙耶への劣等感と、似合わないイヤリングを、好きな男性に指摘された事による動揺を、心情的に上手く繋げる事が出来なかった気がします
今やれば、また違った形の組み立てにするだろうな・・と思います
一夏達、家を出る
一夏が家を出る所から沙耶の部屋の窓を気にするあたり、続きを読む
2007年09月15日
うた∽かた 第07話のこと その03
翌朝、一夏のベッドで目覚める真夏
翌日のスタートで、アオリで空を撮って、鳶を飛ばしています
太陽と鳥・・・
僕は何故か、この構図を好んで使ってしまいます(w
フィギュア17の第10話を見た人なら、つばさのフラッシュバックのきっかけに、この「太陽と鳥」を使っていることを、「ああ、そうか」と思い出してくれるかもしれません(w
実は、僕の絵コンテ回には、結構出てくるんですよ、これ(w
今回も、「またこれかよ」と、自分でも思いながら、「舞浜は鳶で有名な所だし、鎌倉を表現するには良いカットかもしれない」ということで、続きを読む
翌日のスタートで、アオリで空を撮って、鳶を飛ばしています
太陽と鳥・・・
僕は何故か、この構図を好んで使ってしまいます(w
フィギュア17の第10話を見た人なら、つばさのフラッシュバックのきっかけに、この「太陽と鳥」を使っていることを、「ああ、そうか」と思い出してくれるかもしれません(w
実は、僕の絵コンテ回には、結構出てくるんですよ、これ(w
今回も、「またこれかよ」と、自分でも思いながら、「舞浜は鳶で有名な所だし、鎌倉を表現するには良いカットかもしれない」ということで、続きを読む
2007年08月15日
うた∽かた 第07話のこと その02
うた∽かたは現代の鎌倉が舞台でしたし、第07話は鎌倉大仏が出てきます
これはもう、鎌倉に実際に行かないとコンテが書けない!とハルフィルムに掛け合って交通費を出して貰い
第05話担当の奥野君と一緒に、鎌倉へ取材に行っています(w
この辺りが一夏の家、そしてこの辺が誓唯(せい)と繪委(かい)のマンション・・
だから、大鳥居は、こう見えるはず・・とか
一夏の家から出て、鎌倉大仏に行こうとすると、この道を通る・・
そうすると図書館があって、この道を素通りしていくはず・・
とまぁ、こういうところまでシミュレーションして、写真を撮ったり、実際に歩いたりしてきたわけです
実際その通りに画面にしています
放映当時、このうた∽かたを見て、続きを読む
これはもう、鎌倉に実際に行かないとコンテが書けない!とハルフィルムに掛け合って交通費を出して貰い
第05話担当の奥野君と一緒に、鎌倉へ取材に行っています(w
この辺りが一夏の家、そしてこの辺が誓唯(せい)と繪委(かい)のマンション・・
だから、大鳥居は、こう見えるはず・・とか
一夏の家から出て、鎌倉大仏に行こうとすると、この道を通る・・
そうすると図書館があって、この道を素通りしていくはず・・
とまぁ、こういうところまでシミュレーションして、写真を撮ったり、実際に歩いたりしてきたわけです
実際その通りに画面にしています
放映当時、このうた∽かたを見て、続きを読む
2007年08月12日
うた∽かた 第07話のこと その01
>ところで語って欲しい作品として「うた∽かた」をリクエストしたいと思います。大変大好きな作品でして、特に氏の担当された7話は大きな転換点に当たる話だったと思います。よろしくお願いします。
へたれさん、コメントありがとうございます
さて、大分遅くなりましたが(約一年だよ・・ホントに・・)、以前リクエストがあった、うた∽かたについて、行ってみたいと思います
この作品は、いわゆる「謎で引っ張る系」の作品なので、これから見ようと思っている人は、読まない方がいいかも・・です(w
さて、物語を映像で見せる時に、観客と登場人物の間には、情報の格差があります
パターンは二通り
1,「登場人物たちが、その物語世界の情報を知っていて、観客はそれを知らず、展開の中で、徐々に明らかになっていく」パターンと・・
2、「観客は物語世界の情報を知っており、登場人物たちがそれを知らず、観客がハラハラしながら見守る」パターンです
大抵の映像作品は、この複合パターンですが、わかりやすく例を挙げれば・・
エヴァンゲリオンのような作品が前者に近く、
後者はサスペンス物、続きを読む
へたれさん、コメントありがとうございます
さて、大分遅くなりましたが(約一年だよ・・ホントに・・)、以前リクエストがあった、うた∽かたについて、行ってみたいと思います
この作品は、いわゆる「謎で引っ張る系」の作品なので、これから見ようと思っている人は、読まない方がいいかも・・です(w
さて、物語を映像で見せる時に、観客と登場人物の間には、情報の格差があります
パターンは二通り
1,「登場人物たちが、その物語世界の情報を知っていて、観客はそれを知らず、展開の中で、徐々に明らかになっていく」パターンと・・
2、「観客は物語世界の情報を知っており、登場人物たちがそれを知らず、観客がハラハラしながら見守る」パターンです
大抵の映像作品は、この複合パターンですが、わかりやすく例を挙げれば・・
エヴァンゲリオンのような作品が前者に近く、
後者はサスペンス物、続きを読む


帰ってきた